サブプライム問題のまとめ

サブプライムローン問題のまとめ:日々のニュースより

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サブプライム問題とMBS市場への影響のまとめ(2)

ここ数日CDSがまた大きく拡大しました。
CPDOをお持ちの方、ご愁傷さまです。


サブプライム問題が発端となり、CDOのマーケットが消滅し、
LBOのリファイナンスが出来なくなり、そしてついには
CDS全体の拡大へとつながりました。

今日の論点はCDS拡大のなぜ?です。
想像力を働かせましょう。
LTCMを思い出しました。あの問題は、たかだが4000億円の
損失の押し付け合い
でした。今回は10兆円程度だとバーナンキは
言っていましたが、もし自分や自分のお客がサブプライムCDOを
持っていたらどうしますか?当然だまって損失をこうむるような
ことはせず、何とかヘッジしようとします。一番簡単な方法は、
株やCDSを使うことです。

株はインサイダー規制が厳しいので、CDSの方が簡単です。

例:自分は某B証券の社員。
  CDOの損をなんとかするために、自社のCDSをPayすることを検討。
  しかし自社のCDSでは道義的問題があるので、自社CDSの
  Compositeポジション
を作成して売却。CDOでは損がでるものの、
  発表時のCDSの値動きで損は帳消し。その代わり同業者のCDSが
  Compositeポジション売却の影響で拡大


この経済的効果は、
・自社の損をCDS市場全体に押し付け

・損失がCDS市場のレバレッジで増幅し、CDSスプレッドは拡大

・別のところで新たな損失が発生
⇒上に戻る

損失押し付けと増幅のスパイラルです。
今回は絶対損失金額とCDS市場のレバレッジが大きいのが特徴ですね。
あと前回指摘のMBS市場の問題もお忘れなく。

今日のFTに投資銀行のヘッジファンド融資姿勢の強化の話が
ありました。やはりレバレッジの逆回転は避けられそうにありません。






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今後起こること

先日のニュースを修正しました。KKRでなくブラックストーンズでした。まあどちらでもいいのですが・・・。


 株が暴落しました。まだ「先制の一撃」という感じなので、まだ影響は軽微でしょう。センチメントは最悪ですが。過去上昇を続けたので投資家にも相当貯金があると考えます。 ただ、上昇続きでロングポジションがたまっている国は一番先に要注意です。一番気にしているのは韓国。次に台湾、ブラジルなどでしょうか。この一撃が3発4発続くと資金の逃避が始まると思います。


あとまだまったくニュースになっていない点として、 CDSの暴落に伴うヘッジファンドの損失というのが見えていません。相当ロングポジションxレバレッジがたまっていたはずなので、かなり損失が出ているはずです。これもまた資金逆流の原因となると想像しています。


キャリートレード解消で円が買われるのはわかるのですが、 EURまで売られるとは。想定外でした。


ポジション解消



もともとドル建て資金なのでドルに回帰でドル高


 


ということなのでしょうか。

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今日のニュース

今日気になったニュース

1.Citi、GoldmanなどのCDSスプレッドが拡大
  米金融機関のCDSが$10bnの社債やローンを
 発行できなかったことによる財務内容悪化懸念で拡大・・・
 2週間前のニュースなのですが今さら反応とは。

2.ブラックストーンズが買収したREITの商業用不動産のほとんどを売却(ロイター)
  これは非常に深刻です。上場という最悪のExitを果たした
 ブラックストーンズですが、このニュースが意味するのは、
  1)商業用不動産は今が高値?
  2)資金繰り?サブプライム問題がこういう経路で商業用
    不動産へ波及?みんなが高値だと思うと市場は一気に
    崩れます。次は米国REITをモニターです。


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サブプライム問題とMBS市場への影響のまとめ

今日はテニスの話ではなく、本業(?)の話です。

サブプライム問題やっとことの重大さが理解されるようになって
きました。今までの経緯をまとめてました。
5、のクレジット市場への飛び火が一番深刻ですね。


サブプライム問題とMBS市場への影響のまとめ

1、 サブプライムローン
2、 CDOと格付会社
3、 ことの発端
4、 市場で起きたこと
5、 拡大する影響
6、 まとめ




1、 サブプライムローン
 サブプライムローンとは、「信用力の低い人に対する高金利の住宅ローン」のことです。米国では、90年以降住宅価格は堅調に推移し、2002年以降とくに金利低下などの影響から住宅価格は上昇ペースを早めました。サブプライムローンが現れてきたのはまさに2003年から2006年。「少々信用力のない人でも、住宅価格が上がればローンの返済は可能」という1990年ぐらいの日本でよく見られた考え方です。2003年ごろに増え始めたサブプライムローンは2006年にピークに達しています。2004年からFEDが政策金利の引き上げを始め、住宅ローンの金利も上昇しましたが、米国の住宅市場は堅調でした。しかし内訳を見てみると、信用力の高い人は購入を手控える一方、信用力の低い人がサブプライムローンで買い続ける、または業者が信用力の低い人に甘い誘い言葉をかけて住宅を買わせていた、という構図があったように思います。1990年の日本、2006年の米国いずれも、「住宅価格は下がらない」という土地神話が根底にあったのでしょう。ちなみに日本は1960年以降1990年まで、
米国では、1990年ごろに一部の地域で住宅価格がマイナスになったことがありますが、それをのぞくと大恐慌以降、住宅価格はずっとあがり続けていました。
歴史的に見ると50年に一度のイベントであり、だれも住宅価格が下がることなど考えてもいない、これが90年代の日本でも今回の米国でも問題を大きくした原因だと思います。

2、 CDOと格付会社

 CDOとは、Collateralized Debt Obligation の略で、ひとことで言うと「担保のついた債券」になります。少し違うのは、1つの担保に対し、返済に優先順位ちがう債券が5種類以上同時に発行されることです。これにより、あまり質のよくない担保でも、一番優先順位の高い債券だけを買うとほぼ確実に元本は帰ってきます
サブプライムの問題では、サブプライムローンを担保とした債券が、CDOとして投資家に大量に販売されました。2006年では30兆円ぐらいだったと思います。サブプライムローンなので担保の質はあまりよくありませんが、一番返済順位の高い債券は、大手銀行など低リスク資産への投資を手がける投資家、返済順位の低い債券は、高リスクを好む(主にヘッジファンド)投資家に販売されました。

 ここで投資家が投資リスクを判断する上で見る一番重要な指標として、主な格付会社(S&P、Moody’s、Fitch等)の示す「格付」があります。格付会社は返済順位の高い債券には格付けをAAA(最も安全)からB(投資不適格)などと付与し、投資家に販売するときの重要な指標となっています。

 CDOを発行する際、発行会社は格付会社に手数料を払って「格付」を付与してもらいます。格付会社は競合しますので、もし「甘い格付け」を与えることで発行会社がより有利にCDOを発行でき、結果として格付会社により手数料が落ちるようなことがあるとすると、大きな問題だと思います。今回そのあたりの件はまだ良くわかっていませんが、状況証拠としては、格付け機関の利益はCDOの発行手数料により近年大きく伸びた、S&Pにオクラホマ州当局が事情聴取をした直後にS&PはサブプライムCDOの格付けを一斉に見直したということがあります。今後訴訟が頻発することになると思うので、その過程でCDO等の評価の過程が明らかになると思います。


3、 ことの発端

 ことの発端は、米国長期金利の上昇から住宅市場の価格上昇が鈍化したことです。そして、「住宅価格が上昇しないと返済できない」人たちの返済が滞り始め、そのことが社会問題化し、サブプライムの貸出が激減しました。するとサブプライム貸出で底上げされていた住宅市場の底がぬけてしまい、住宅価格の下落とサブプライムローンの延滞のスパイラルに陥りました。いわゆる「住宅バブルの崩壊」です。住宅価格の下落が本格化し、サブプライムローンの延滞が増加すると、サブプライムCDOは担保が痛み、CDO債券の価値が下がりました。住宅市場の下落が、それを読み込んでいなかった市場を大きく揺さぶる結果になりました。


4、 市場で起きたこと

市場では、サブプライムの貸出の延滞が表面化した2月に、まずサブプライムローンを代表するABXという債券インデックスが暴落しました。当然実際のサブプライムCDO債券も価格が下がっていると考えるのが合理的なので、いろいろな人が価格の下落のヘッジを試みたり、ポジションを組んだりしました。うまくいって大きな収益を上げたヘッジファンドもあれば、大失敗して飛んでしまったヘッジファンドもあります。それが表面化したのが5月のBear Stearns傘下のヘッジファンドの破綻です。この過程で問題になったのは、「CDOの価格付け不透明さ」と「格付機関のサブプライムローンへの評価の甘さ」でした。CDOはその仕組みの複雑さから価格付けが非常に難しいことで知られています。それまでは歴史上実際にCDOが大きく格下げになったり価格が下落することはあまりなかったため、格付けの低いものでもまじめに時価評価されることは少なかったようです。一方、サブプライムのCDOは、住宅価格が下落する可能性を考慮せずに甘めに格付けを付与されていたのでしょうか?5月以降、CDO債券の格下げが相次ぎ、ついにはAAAからBBB(投資適格からジャンク債)に格下げになるものまででてきました。投資家からすると、CDOはそれまで、「安全高利回り」という魔法のような債券だったのですが、これが一点「価格の決定方法が良くわからず、また格付け自体も不安定な債券」に変わってしまったのです。

CDOの他に起きているもう一つ大きな問題は、米国のMBS(住宅ローン担保証券)価格の下落です。MBSは世界で最大の証券で、発行金額は数百兆円になります。住宅ローンが担保になっているために、「住宅ローンが繰り上げ返済を含めて何年で返済されるか」というのが評価の一番重要な鍵で、繰上げ返済を予測するモデルが開発され、市場が発展してきました。住宅価格が下落すると、担保価値の下落、貸し出し基準の強化などで繰り上げ返済が低下します。2003年ごろにはこれと反対の現象が起きて、住宅価格の上昇により、繰上げ返済のスピードが上昇しました。市場では、繰上げ返済モデルを開発している会社が、相次いで前提となる住宅価格の予測値を引き下げています。Citiが提供するYieldBookという世界で最も使用されているMBSモデルでは、5月に2008年の住宅価格予測を+3%から+1%に引き下げました。まだ+1%ですが、この2%の引き下げの市場へのインパクトは甚大です。MBS
全体のデュレーションが0.2年延びました。数百兆円の市場で、朝起きて見てみるとデュレーションが0.2年延びているわけです。MBS市場にかかる売り圧力は、数百兆円x0.2年/MBSのデュレーション となりますので、MBSの現物売りまたはヘッジのスワップ売りなどで金利水準、スワップスプレッド、市場のボラティリティすべて大きく拡大する方向に圧力がかかりました。5月の米国金利の上昇ですが、中国の米国債売りなどの要因もありますが、このMBSのデュレーションヘッジの影響が一番大きいのではと推測しています。今の予想が+1%なので、もしこれが-1%、-3%となることを想像するとMBS市場発のさらなる大混乱がもたらされます。

「住宅価格がある程度下がる」と思っていれば、繰上げ返済のスピードの減速をMBSの価格に折り込むことができるのですが、誰も本当に住宅価格が下がるなどと思っていなかったため、ここ数ヶ月、住宅価格の下落を目の当たりにして以降、急速にMBSの価格が下がっています。住宅価格の低下と繰り上げ返済スピード減速に底が見えない限り、価格の低下は続くものと考えます。


5、 拡大する影響

CDO市場崩壊の影響は甚大です。証券会社は、高リスクマネーを貸し出す一方、それをCDOとして投資家に発行販売することでお金を回し、高リスクマネーの低い金利での出し手となっていました。それがCDOという仕組みが使えなくなってしまい、高リスクマネーの供給に急ブレーキがかかりました。具体的には、LBOという高リスクマネーの資金を、CDOで調達できなかったために、自分で高リスクローンを抱えるはめになり、それをヘッジするためCDS市場でヘッジ売りを行いました。それに伴い、それまで低く保たれていたクレジットスプレッドが急拡大しました。今まではみんな低い金利で借りられていたお金が、そのせいですべての人に急に高金利になってしまったのです。今後クレジットスプレッド拡大に伴う影響があちらこちらで出てくることでしょう。

MBSの価格低下ですが、こちらは相当深刻です。日本の場合、地価上昇で上昇した富は、結局地価の下落とともに不良債権などの形で清算されました。米国でも同じことが起こるとすると、ものすごい金額になります。これらはほとんどMBSなどの価格下落という形で今後出てくることでしょう。また間接的ですが、先に述べたように、MBSの繰上げ償還スピードの原則と価格低下は、スワップスプレッド拡大、ボラティリティ拡大の方向への圧力を生じさせます。ロングに偏っていたクレジット市場に大きな打撃を与え続けることになるとおもいます。



6、 まとめ

まとめると次のようなことになります。

1、 米国の住宅バブルの崩壊とMBSの価格低下
2、 サブプライムローンや格付け会社のモラルハザード
3、 CDOという仕組みの崩壊とリスクプレミアムの拡大
4、 格付け会社の信任低下とリスクマネーの縮小

今後のリスクマネー縮小の動きを見るには、「キャリー取引通貨」、「新興国株式市場」、米国金融セクターの動向は、「米国証券会社の株式」を詳細に見る必要があります。今後も新しいニュースを随時更新していく予定です。

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